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横歩取り青野流と佐々木流

横歩取り第1図の青野流、第2図の佐々木流、この2つの戦法の採用状況を調べてみました。データは将棋倶楽部24の2000点以上+24名人戦にて収集した棋譜から調べました。

青野流は手元の棋譜を調べてみると1991まで遡り有名どころでは中原名人-高橋九段との名人戦第7局でも指されていたようです。以降もプロ間で細々と指され横歩取りの一変化としてあるようです。佐々木流は2002年第8期24名人戦A級西リーグにありましたが、2002年に3局あるだけで2015年までで合計6局。2016年からは一気に増え2017年には採用が青野流と逆転となりました。2018年はまだ対局数が少なくどうなるか?ちなみに昔ながらの▲3六飛と引くのは2017年では287局あり、佐々木流の比重も高い。横歩取り△3三角を指すなら対策が必須な戦法と考えていいだろう。

横歩取り青野流

2012年から先手番で横歩取りのときは青野流を多用している。青野流の特徴は、左上図の▲5八玉から右の金銀をそのままに右桂を活用するところにある。
私は将棋倶楽部24で集めた棋譜データベースから、この戦法を知り研究していたのだが、指し始めて2年後くらいに「長岡研究ノート相居飛車編」に紹介されているのを知った。
今回紹介するのは「長岡研究ノート相居飛車編」に書かれていない気になる変化。右上図のように先手の飛車を追われると飛車の逃げ場が難しいのである。▲3三飛成か▲3五飛なのだが、▲3三飛成は△6二銀となっていれば有効なのだが、失敗に終わるので▲3五飛の一手。さらに△3四歩とされると▲2五飛には左下図のように後手に横歩2枚を取られそうになり、▲7五飛には右下図のようになる。どちらも形勢は五分五分だと思うのだが、先手は左辺が壁になり右辺に殺到される展開になるのが気になる。
構想力が問われる横歩取りは面白い。