初手の推移

かつてアマレンで連載していた「データを活かそう」。仕事の合間に棋譜集めと自分の記録整理から好き勝手書いていました。仕事が忙しくて書くネタが無い時も多かったなー。それはさておき、2020年収集した棋譜を棋泉へ登録できたので初手に焦点を絞って調べてみました。

将棋倶楽部24を始めたのが1999年。その頃から棋譜を集め続け年間1万から2万局ほど収集しています。収集対象と棋譜数は上のとおりです。偏りがないように対局数が多い方は月50-100局に絞っている。

  • 十傑は過去2年ほどに名前が挙がった方
  • 24名人戦は初段以上
  • 高段者は2100点以上、元十傑気になった人、モバイル王位戦など
  • 先手勝ち、後手勝ちの合計と対局数に差があるのは千日手、持将棋、中断局を 含めていない
  • 勝率は、先手勝ち/(先手勝ち+後手勝ち)より求めている
  • 機関誌ぷらちな18号には2019年までの推移を掲載している、この原稿は続編にあたります。

グラフをみると一目瞭然、初手▲7六歩を指す人が激減!2015年以前のデータを調べてみると初手▲7六歩は「0.855」もある。

2019年末の予測では2020年か2021年で初手▲7六歩が採用率0.5を割ることを懸念していたが、2020年では若干採用率が増えている。このまま落ち着くのか、盛り返すのか興味深い所である。

私が将棋を本格的に始めた1990年頃は矢倉と四間飛車全盛時代。居飛車にしろ、振り飛車にしろ初手は▲7六歩である。相掛かりは個人的に好きだったが、先手では指さず後手での採用が多かった。初手▲7六歩が減った原因は何なのか?振り飛車党が居飛車等へ転向したのか?矢倉が敬遠されたためのか?早石田への警戒なのか?初手だけで判断することはできない。次回は2手目までのデータを掲載する。