2012年から先手番で横歩取りのときは青野流を多用している。青野流の特徴は、左上図の▲5八玉から右の金銀をそのままに右桂を活用するところにある。
私は将棋倶楽部24で集めた棋譜データベースから、この戦法を知り研究していたのだが、指し始めて2年後くらいに「長岡研究ノート相居飛車編」に紹介されているのを知った。
今回紹介するのは「長岡研究ノート相居飛車編」に書かれていない気になる変化。右上図のように先手の飛車を追われると飛車の逃げ場が難しいのである。▲3三飛成か▲3五飛なのだが、▲3三飛成は△6二銀となっていれば有効なのだが、失敗に終わるので▲3五飛の一手。さらに△3四歩とされると▲2五飛には左下図のように後手に横歩2枚を取られそうになり、▲7五飛には右下図のようになる。どちらも形勢は五分五分だと思うのだが、先手は左辺が壁になり右辺に殺到される展開になるのが気になる。
構想力が問われる横歩取りは面白い。