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データを活かそう-230924大曽根商店街通り将棋大会-自戦記

データを活かそう-230924大曽根商店街通り将棋大会-準備編の続き

 予選は4人1組の総当たり戦。1人全勝、3人1勝2敗の場合、1勝2敗から抽選で1人が予選突破する方式でした。初戦は自分の対局に集中しつつも隣の対局も気になるところ。持ち時間は15分切れ負け、タイムテーブルを見ると10分切れ負けかと心配していたが+5分の差は大きい。気合を入れて予選1R対局開始。

◆予選1Rは角換わり▲7七金型棒銀。予選1R-1図で△1三歩と受けたことから形勢が傾き、予選1R-2図の手筋が決まった。思いのほか1Rが早く終わり隣の対局を見ると、横歩取り青野流-△3三角戦法。レベル高くない?時間もギリギリまで使って攻防がすごい。一方、隣のテントは大田さんが無双状態で進行めちゃ早。

◆予選2Rは裏技△2三歩戦法を打診したが、相掛かりに落ち着く。序盤早々1筋を詰められる。風貌からも強者オーラが出てるし、酷くなるかもしれないけど、勝負手を放つも的確に咎められ負け。大会前に予選2位通過とか考えていたけど、次負けたら予選落ちもチラついてきた。評価値からもこちらに形勢が傾くことはなかった。

◆予選3Rも相掛かり。2Rのやり返しと予選3R-1図と9筋を詰めポイントをあげ、中住まいから美濃囲いへ組みなおし成功。予選3R-2図で△同金▲同桂△4六角と大技が決まって予選2-1で2位通過となりました。

 決勝はトーナメント戦。優勝候補の畠山さんと予選で同じリーグで1位通過した人は同じ山になり、私と同じ山には大田さんがいて、順当にいけば準決勝で当たる。決勝1Rは対四間飛車に、へなちょこ急戦を見せたら3二銀待機型だったので、腰掛銀にしようとしたのだが、▲4七銀に△4三銀となったため決勝1R-1図と仕掛けた。評価値的には微妙だったようで次からは腰掛銀にしてみよう。結果的には咎められず右四間に組みなおしでき決勝1R-2図と後手が4筋を支えるために上がった5三金を桂不成で取る。飛車を取ってくれば▲6一桂成が詰めろのため技ありとなった。相手の方の名前をみて30年前に中日本名棋会で何回か対局した方かなと思っていたら、対局後話しかけられました。お互い名前を見て気にしていたようです。

◆決勝2Rは対ゴキゲン中飛車となり、へなちょこ急戦で対抗。今回の大会で一番事前研究した形。決勝2R-1図で△6三金としたのだが、ここでは△同歩の方が良かったようだ。▲同飛に△8六歩で攻めればよかったようだ。本譜の順も悪くなく決勝2R-2図と相手の飛車を抑え込み決め手を与えずに勝ち。結局へなちょこ急戦を研究したのに、この対局しか使えなかった。

次は準決勝、事前予想どおり大田さんとの対局
続く

▲7七金型 棒銀-その03

 今回は、棒銀に対して1筋の歩を突かないで△5四角とした変化について解説します。

左上図が▲3三金型、右上図はよくある定跡。違いはまたも後手右銀の遅れである。

 右上図から定跡どおり進むと30手目左図のような△3三金がある。▲2二飛成には△同飛で終わりだ。
 後手銀の立ち遅れを狙ってこの変化を目指すのもいいがもっといい変化がある。

 ▲3八飛を打たずに▲2六飛!定跡形なら以下△4四銀▲2四歩△3五銀の24手目右下図と進めればいいのだが、ここから▲2八飛△2四歩にいい反撃がある。

 後手の右銀の立ち遅れを狙って▲5五角が痛打!

 27手目以下、△7三銀▲1九角成△3三桂▲1二馬△4五角 左下図。7七金が7七銀の美馬棒銀なら6七地点を狙われるが、▲7七金型が活きる。
 32手目では▲1三馬としても十分だが、激しく▲4六歩△4六歩▲4八香となれば先手優勢である。

▲7七金型 棒銀-その02

 まずは角換わり棒銀対策の早繰り銀の場合の変化。
 角交換後、棒銀を採用して左上図。右上図、定跡と比較して後手の右銀が間に合っていないのが大きい。
 左上図から△同歩▲同銀△同香▲同香△1六歩▲1八歩△4四銀まで左下図。
 ここまでは変化がないかなと思う。左下図からは途中後手から△1九角を打たれると難しい変化が多いのだが、狙い手順を進める。左下図以下▲2四歩△同歩▲1二角△3三桂▲2四飛△2二歩▲2一角成 35手図まで

35手図の▲2一角成が後手の一手遅れを咎める好手となる。ここから△7三銀▲1四飛の37手図となれば飛成を受けることができず先手勝勢だ。

▲7七金型 棒銀-その01

△3三金型 早繰り銀の幅が広がらないかと思い棒銀戦法を紹介します。

 初手から▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲2五歩△3二金▲7七角まで左図
 左図以下、△3四歩▲7八金△7七角成▲同金まで右図

 横歩取りを誘うも左図のように拒否され後手の注文で角換わりになることは多い。▲7八金を省略した美馬棒銀を多用していましたが、下図のように後手右銀を保留して7筋を攻められる手を見せられると通常の棒銀に戻らざるをえない。そこでtwitterでみかけた△3三金型 早繰り銀をヒントに▲7七金型棒銀を指すようにしてみた。

△3三金型早繰り銀は初手から
▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲6八銀△3二金▲2五歩△3三角▲同角成△同金▲7七銀まで左図と、先手から角交換させて一手得し先手の利を得る戦法である。

 私は後手番2手目に△8四歩を指さないため、後手では使えないが、2手目△8四歩を指す方にも紹介する棒銀は使えるかと思う。

序盤の方針-先手編その3

第9図から囲い手順を進めると▲7九金‐▲6九玉‐▲7八玉‐▲5九金‐▲5六歩‐▲5七銀右とすると第10図の「エルモ囲い」となる。対振り飛車の囲いで振り飛車になるか分からない局面でも 第9図としても問題がない

対中飛車戦では第11図の左美濃を指している。対中飛車で左美濃を目指すために▲5六歩と▲7八玉を先延ばしに指している。中飛車戦では5筋の歩は突かないことが良い事が多いため▲5六歩保留が吉なのかなと。

ここまでが第1図となった場合の構想となっている。

序盤の方針-先手編その2

第1図から▲2五歩に△3三角とされた場合、▲6八玉(第5図)としている。2016年頃までは相手が飛車を振る前に態度を見せなかったものだが、手待ちも難しく、方針を先に示している。第5図から△4二飛には▲5六歩として昔ながらの対四間飛車となる。

第5図から△4三銀とまだ態度がわからないときは左美濃の選択を残して▲5八金(第7図)を指している。お互い手の探りあいとなることもあり、端歩を突かれることもあるが、穴熊を指すつもりは、まったくないので端歩はお互いに付き合う形になる。5六歩としていないため向飛車にされても△2四歩からの反撃を緩和しているのが大きい。

2018年流行の雁木となれば第8図のような急戦が予測される。ソフト好みの薄い攻めだが、昔からこういった将棋が好きなため、自分にはよくあっていると思う。

ただ急戦はしっかりした対策が確立されることも多く、第5図の▲6八玉の変わりに ▲6八銀 もあるのではと考えている。振り飛車にされたらどうするの?となるわけだが、通称「エルモ囲い」があるので対振り飛車にも対応可能だ 。

序盤の方針-先手編その1

将棋の序盤戦術について書いてみる。将棋を教えるとき、私は序盤を重視して教えている。自分が四半世紀前から序盤型ということもあるんですけどね。 大学で後輩に教えるとき感じるのは、序盤、特に作戦も決まっていない20手くらいまでに長考が多いことだった。話を聞いてみると、「振り飛車にするか、居飛車にするか迷っている」「何を指そうかわからない」など。大会では持ち時間も短く、切れ負けも多いため致命的な問題と思う。中学以降で将棋を始めるなら体系化して指すことを進めている。

体系化する上で重要となるのが、戦法選択の組み合わせだ。例えば角交換されたくないのに序盤で▲7六歩とする。対振り飛車で右四間腰掛銀を指したいのに▲5六歩とする。相手の指し手をみて対応できる駒組みができるように組み立てておけば、序盤で迷わないで済む。

第1図、10局指せば4,5局は現れることもある局面。以前はここで第2図▲5六歩としていた。後手矢倉なら矢倉中飛車、対振り飛車も損にならないと第2図としていたのだが、ゴキゲン中飛車、石田流の増加、対矢倉-左美濃急戦の登場により、第1図から▲2五歩としている。第3図の△3三銀なら矢倉と決め打ちすることができる。雁木、振り飛車には駒組みしにくいことがわかっていれば、矢倉決め打ちで第4図の左美濃急戦までは一直線だ。

新手年鑑2018年版

将棋世界6月号の付録は「新手年鑑2018年版」である。2016年からこの付録が有るときだけ将棋世界を買っています。

将棋倶楽部24の棋譜で調べているが、実際にプロの解説が付くと自分の読みとの誤差もわかり定跡研究に大変役に立ちます。