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第26期24名人戦について

第26期24名人戦が2021年7月2日か8月29日にかけて開催された。名人決定トーナメントは9/25までだが、リーグ戦の結果だけまとめようと思う。

例年は新年1月から3月にかけて開催されるが、今年は道場の更新に伴い開催時期がずれたようです。奥さんには例年1-3月は将棋に集中すると宣言して結婚している身としては24名人戦の時期がずれたのは痛かった。

まずは、例年のデータになりますが、初段以上の全成績です。先手勝率は(先手)/(先手+後手)より算出していますので持将棋、千日手は含まれていません。

道場の更新に伴い対局結果情報が変わっていました。引き分け理由で千日手が加わった。

予選では40人八段リーグは都合が悪かったのか対局数少な目である。40人初段の半分だ。本選ではダブルスコアの対局数差はなく似たり寄ったりかな?勝率は全体では先手勝率0.506である。これは例年不思議なことに五段から三段にかけて勝率5割を切ることが多い。六段以上は無理攻めは受けきらないとなれないのではないかと推測している。

対局数については例年通り最終週の対局は少ない。第1週から第3週で対局数を稼ぐのが重要だ。ちなみに日にち別でみてみると金・土・日での対局差があまりないことがわかる。

第25期24名人戦予選について

2020年1月3日から始まった第25期24名人戦の予選データになります。12人リーグは対局が少ないため40人リーグのみの結果を掲載します。

上にあるその他は中断局、判定などで、勝率は先手勝ちと後手勝ちより算出しています。
一番の激戦区が初段リーグで507局!三段リーグの先手勝率が低いことが大変気になります。棋譜収集後、分析できたら発表しようと思います。(期待薄・・・。

自分の参加した四段b40人リーグは先行逃げ切り型。最後の週は対戦相手が居なくてどうなってるの?と思ったけど、このリーグ特有のものだったようです。他リーグでは最多と最小の差が3倍以上離れているものはなかった。

第24期24名人戦の戦績まとめ

第24期名人戦も無事終了(半月前に)結果を表とグラフにしてみました。上が本選、下が予選となっています。
五段から三段にかけて後手勝率がいい。有段者になるためには攻めを覚え、三段で受けを身につけ、六段以上で針の穴を通すような攻めができるようならなければ成らない。本選、予選通して似たような傾向があるように思います。

下の2つは週毎の対局数推移。四段以下の前半での対局数偏りがすごい。
私の参加した三段aリーグの最終週では未対局者に群がっているようでした。対局数が前半でできていないと入賞が難しい位置となっており、2,3局指してそれ以降、居ないなんてこともありました。
理想は八段、五段のように平均しているのが良いのかなと思います。

第24期24名人戦予選-終了

第24期24名人戦予選終了しました。2019年1月4日から1月28日の4週間。私は40人リーグ四段bでの参戦で、14勝14敗となり17位で予選通過となりました。最終日直前で連敗して22位まで順位を落としたときは冷や冷やしましたが最終日3連勝して20位以上、予選通過ラインを突破できました。

団体戦も終わったので毎年恒例の棋譜収集を開始。とりあえず初段以上の結果は下の表のようになっています。40人リーグ四段b、二段の対局数多くない?予選ボーダーを昨年の結果から45点と想定していましたが、40人四段bでは20位が53点でした。40人二段は20位が56点となっていました。

週別対局数を表にしてみました。過去の結果から四段bの進行を予想しており、対局状況からも想定と一致していました。二段は3週目が対局数多いので、進行を見て慌てて対局数を増やしたのかなと想像します。

美馬棒銀対策

2018/5/18の竜王戦 船江六段-藤井六段戦は25年ほど前に読んだ定跡書にあった美馬棒銀でした。狙いはリンク参照

美馬棒銀対策は手持ちの定跡書によると米長永世棋聖の△7四歩がある。後手は先手の7八金省略に対抗して右銀を動かずに第1図から△7五歩▲同歩△6五角(第2図)が狙いである。攻め合いとなったとしても後手は飛車に紐がついている。

竜王戦では第2図となるかと思っていたら予想外の第3図の△4五角!自分の実戦でも△5四角しか経験がなかったので衝撃でした。将棋ウォーズで月に1,2回ほど遭遇する局面なので今後この対局を参考に第3図は増えるのではないかと考えています。

第3図となった場合どう指せば良いのかまだ研究できていませんが、▲5六角か▲2四歩がいいように感じます。

序盤研究

 

何気ない序盤の局面図。△32銀型なら四間飛車、△42銀型なら中飛車、雁木を警戒するところでしょうか?今までの自分の将棋を振り返ると△32銀型には▲56歩と指していたのですが、近年の雁木流行から5筋は突きたくないため非常に悩ましい。そこで直近3年を調べてみると最近の流行はどちらの局面も▲68玉のようである。

対局数推移は下のようになっています。一番下の「2016年まで」は2000年から2016年までの総数である。2018年はまだ4月ということもあり対局数は少ないものの▲68玉が増えていることがわかる。そして勝率も高いのも特徴だ。

これらのデータは2000年ころからコツコツ貯めた将棋倶楽部24の棋譜集より作成しています。

第74期名人戦第1局の横歩取り

第74期名人戦第1局▲羽生名人ー△佐藤天八段戦。手元のデータベースで棋譜研究をしてみました。データベースは2016年収集棋譜とそれ以前に収集していたものの2種類で研究した。先手+後手が総対局数と合わないのは千日手、中断局があるためである。

A:2016年収集棋譜 5436局?▲2787?△2536
B:2015年までの収集棋譜 120582局59633?59458

◎第1図△3三角まで
A:309局(5.68%)187?119
B:6176局(5.12%)3163?2970
・横歩取り△3三角戦法となる割合は若干増えているかなというレベルのようです。

◎第2図△7二銀まで(割合は第1図から第2図となる割合)
A:74局(23.95%)42?32
B:178局(2.88%)99?79
・2016年の横歩取り△3三角戦法の1/4は第2図となるようだ。割合が10倍違うのは、以前は△8五飛戦法や中原玉などが主流だったためと考えられる。

◎第3図▲3六歩まで
A:2局2?0
B:1局1?0
・名人戦第1局で現れた局面なのだが、実践例がほぼないことに驚いた。先手を持った羽生名人が勝っているため今後増える可能性がある。ただ類似局面として第3図から居玉、▲4八銀型の山崎流の将棋はB:17局13?4と先手が圧倒しており、掘り下げても後手にいい展開は少ないのかもしれない。

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