第2-3図で、先手が望めば横歩取りとなる。横歩取りが嫌なら 第2-3図で ▲6六歩で横歩取りが回避できる。
横歩取りとなれば下図までは、ほぼ確定となる。ここからは後手に戦法の選択権がある。大まかに相横歩取り、△3三角戦法、△3三桂戦法、△4五角戦法がある。横歩を取るならこれらの戦法への対策は準備して戦いたい。
第2-3図で、先手が望めば横歩取りとなる。横歩取りが嫌なら 第2-3図で ▲6六歩で横歩取りが回避できる。
横歩取りとなれば下図までは、ほぼ確定となる。ここからは後手に戦法の選択権がある。大まかに相横歩取り、△3三角戦法、△3三桂戦法、△4五角戦法がある。横歩を取るならこれらの戦法への対策は準備して戦いたい。
第2-2図からは後手の戦法はかなり限定される。直下の画像は2015年以降の将棋倶楽部24高段者棋譜集より解析した採用率である。 第2-2図 以下は△3四歩となることが多い。数は少ないものの△8四飛もあり、狙いは第2-5図の縦歩取り。頭の片隅に入れておいた方が良いだろう。
角換わりを避けるなら下図の△3四歩には▲6六歩。角換わりを指すなら▲6八銀、▲7八銀、▲8八銀の三択。すぐに角換わりになればどこでも変わらないが、 第2-6図と後手が角換わりを避けてくることもある。
▲8八銀なら矢倉、▲7八銀なら左美濃急戦、▲6八銀なら雁木がある。ここまでの変化を踏まえて事前に指せば序盤で迷うことはなくなると思う。
初手▲7六歩に対して△8四歩に対する方針について。 振り飛車党なら3手目は飛車を振れば良いが、 居飛車党で矢倉は指さない党のため、3手目は▲2六歩(第2-1図)としている。第2-1図 から想定される戦型は角換わりと横歩取り。 第2-1図 から △8五歩▲7七角(第2-2図)となれば角換わりが濃厚。
第2-1図 から △3四歩となれば横歩取り。次回は 第2-2図 と 第2-3図を掘り下げて書いてみます。
矢倉を指すなら初手から▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀となるが、先手矢倉は対左美濃急戦、相矢倉で万全な後手を相手に指さないといけないため苦労が多い。後手の戦法を決め打ちして迎え撃つのもありかと思う。
第9図から囲い手順を進めると▲7九金‐▲6九玉‐▲7八玉‐▲5九金‐▲5六歩‐▲5七銀右とすると第10図の「エルモ囲い」となる。対振り飛車の囲いで振り飛車になるか分からない局面でも 第9図としても問題がない
対中飛車戦では第11図の左美濃を指している。対中飛車で左美濃を目指すために▲5六歩と▲7八玉を先延ばしに指している。中飛車戦では5筋の歩は突かないことが良い事が多いため▲5六歩保留が吉なのかなと。
ここまでが第1図となった場合の構想となっている。
第1図から▲2五歩に△3三角とされた場合、▲6八玉(第5図)としている。2016年頃までは相手が飛車を振る前に態度を見せなかったものだが、手待ちも難しく、方針を先に示している。第5図から△4二飛には▲5六歩として昔ながらの対四間飛車となる。
第5図から△4三銀とまだ態度がわからないときは左美濃の選択を残して▲5八金(第7図)を指している。お互い手の探りあいとなることもあり、端歩を突かれることもあるが、穴熊を指すつもりは、まったくないので端歩はお互いに付き合う形になる。5六歩としていないため向飛車にされても△2四歩からの反撃を緩和しているのが大きい。
2018年流行の雁木となれば第8図のような急戦が予測される。ソフト好みの薄い攻めだが、昔からこういった将棋が好きなため、自分にはよくあっていると思う。
ただ急戦はしっかりした対策が確立されることも多く、第5図の▲6八玉の変わりに ▲6八銀 もあるのではと考えている。振り飛車にされたらどうするの?となるわけだが、通称「エルモ囲い」があるので対振り飛車にも対応可能だ 。
将棋の序盤戦術について書いてみる。将棋を教えるとき、私は序盤を重視して教えている。自分が四半世紀前から序盤型ということもあるんですけどね。 大学で後輩に教えるとき感じるのは、序盤、特に作戦も決まっていない20手くらいまでに長考が多いことだった。話を聞いてみると、「振り飛車にするか、居飛車にするか迷っている」「何を指そうかわからない」など。大会では持ち時間も短く、切れ負けも多いため致命的な問題と思う。中学以降で将棋を始めるなら体系化して指すことを進めている。
体系化する上で重要となるのが、戦法選択の組み合わせだ。例えば角交換されたくないのに序盤で▲7六歩とする。対振り飛車で右四間腰掛銀を指したいのに▲5六歩とする。相手の指し手をみて対応できる駒組みができるように組み立てておけば、序盤で迷わないで済む。
第1図、10局指せば4,5局は現れることもある局面。以前はここで第2図▲5六歩としていた。後手矢倉なら矢倉中飛車、対振り飛車も損にならないと第2図としていたのだが、ゴキゲン中飛車、石田流の増加、対矢倉-左美濃急戦の登場により、第1図から▲2五歩としている。第3図の△3三銀なら矢倉と決め打ちすることができる。雁木、振り飛車には駒組みしにくいことがわかっていれば、矢倉決め打ちで第4図の左美濃急戦までは一直線だ。