「定跡研究」カテゴリーアーカイブ

3手目▲7五歩 先手石田対策

左図の先手早石田に久々遭遇。
※後手居飛車が自分です

左図から後手からの角交換があり先手石田流が上手く行かないとされており、通常は左図の▲7八飛に変わり▲6六歩がよく指されている。
左図の出現割合は

2014年までの207625局で
205局0.0987% 97-101中断7

2015年収集棋譜 9828局で
7局0.0712% 2-5

左図から数手進んで右図。ここから後手の主要作戦は3つ。※2014年までの棋譜データから
△7三歩 74局 35-36 中断3
△6四歩 15局 5-10
△9二飛 13局 7-6

出現割合の多い△7三歩は意外なことに五分五分
後手居飛車も最善を指しきれずにいい勝負となっているのだろうか?

私のお勧めは△6四歩である。△7三歩の変化では馬の活用が難しく歩損してでも馬を引いた方がいいように思う。
また、将来の△6六歩が好手になりやすいのもいいところだ。

横歩取らせ飛車素抜き戦法

横歩取りの後手の作戦で左上図の△4四角がある。次の△8八角の殺到があるので▲8七歩と受け、△7六飛▲7七歩△7四飛 右上図として、次の△7七角成からの飛車素抜きが受けにくい。結論から言うと飛車を素抜いても先手良しが定跡。詳細は「B級戦法の達人プラス」に書かれている。
データベースを調べていて気になるのが左上図から▲8七歩△8四飛の左下図への変化。今度は飛車の素抜きではなく金銀と飛との2枚換え。上の変化と同じように進むと右下図へ。手番は先手にあるものの感覚的に気持ち悪い。初段までなら十分通用しそうな変化であると思う。

PCソフト「激指」で検証したら左上図では▲9六角、左下図では▲2二歩で先手良さそうと出たw

美馬棒銀の落とし穴

先日紹介した美馬棒銀を意識しすぎて失敗した将棋を紹介。角換わり棒銀対策で一番嫌な変化が、棒銀を繰り出した後に3三の銀を2二に引く銀交換拒否!1五の銀の活用が見込めず組み替えに苦労することになる。そんなこともあり、角換わりでは左図のように△2二銀のまま待機するのも有効な手順となる。飛車先交換できてラッキーと

▲2四歩 △同歩 ▲同飛 △3三角
▲2六飛 △8六歩 右図

右図の△8六歩が厳しく先手の左金、▲7八金の省略を咎めている。
ちなみに▲2六飛に変えて▲3四飛は△2八歩がある。

自分の学習能力の低さから同じ手順を3度も食らっている。もう引っかからないぞorz

嬉野流に初遭遇

先手専用の戦法と思っていたが、後手の嬉野流に遭遇。
経験上、引き角や鳥指し対策と同様中飛車からの速攻5筋交換が有効では無いかと考えているが、塚田スペシャル風に指してみました。ただゆっくりしていると2枚銀で押さえ込まれるため、飛車先交換は相手が飛車先以外の歩を突くのを待ってから決行!右図で1歩得確定。実際に指してみると手作りが難しいことを実感。研究の中でいい手を見つけたい。

手元のデータベースでは初手▲6八銀はあるものの狙いは変則的な中飛車が多く、嬉野流となるものは2014年末くらいから、2015年の出現数は9828局中35局であるが、使い手は少ないようだ。

美馬棒銀

角換わり棒銀から。後手の△5四角に対して▲2六飛として左図。定跡手順は▲3八角では?と思われるかもしれませんがよく見ると先手の左金が6九のままになっており、その一手が入っていないために△7三銀が間に合っていません。
※後手の右銀は7二の場合もあります。

左図以下
△4四銀 ▲2四歩 △3五銀 ▲2八飛
△2四歩 ▲5五角! 右図

定跡との少しの違いを突いた▲5五角が飛香取りの痛打だ!
この手順も先日紹介した「超急戦!!殺しのテクニック」に書かれている。美馬棒銀の美馬とはアマ強豪の美馬さんの活躍によるところらしい。長年将棋倶楽部24で対局をしているがこの定跡が使えたのは一手損角換わりが流行りだしてからで左図の同一局面は207625局中わずか8局www内6局は自分である。
ちなみに後手の最善手は右銀を上がる前に△7四歩!次の△7五歩が先手の左金を上がっていないことを咎めている。

簡単に通常形に戻るので知ってて損は無い戦法である。

角交換四間飛車破り

角交換四間飛車には屋敷九段の定跡書を参考に急戦で対抗している。
囲いが薄く感覚的に指しにくそうな手順もあるのだが、長年、対振り飛車は急戦を指し続けていたので自分の棋風にも合っていました。この定跡書入手以降はいい戦果を上げている。
左図の角打ちが定跡書に載っていない手。実戦は以下

▲2六飛 △2二飛 ▲7七銀 △2四歩
▲同歩  △同銀  ▲6六角 投了まで

右図の▲6六角が痛打で後手陣は受けがない。△2四歩が指しすぎの敗着。対局後、激指で検証したところ左図の△5四角が疑問手。さらに続く▲2六飛も疑問手らしい・・・。本筋は左図からは▲5八金と玉を安定させて角をいじめていくのが良いようだ。

初手▲5六歩対策

初手▲5六歩!中飛車からいつでも5筋の歩を交換する形になり、居飛車としては常に警戒が必要である。そこでお勧めなのが2手目△4四歩!狙いは右図のように△4三金を間に合わせるためである。後手が振り飛車党なら△4三銀から向飛車に振りやすくなる。
居飛車は下図のような穴熊が狙いである。早々に穴熊宣言をするような指しまわしだが、形を限定させたと思えば悪くないと思う。

150716-3

四間飛車対策@左美濃

今期第28期竜王戦で藤井九段が竜王戦決勝トーナメントに進出したためか、純正四間飛車に遭遇する割合が増えた。
私の対策は昔ながらの天守閣美濃。普通組もうとすると4筋の位を取られるため、左図のように早めに△4四歩として四間飛車の左銀の様子を見つつ居飛車は右銀を引き付け右図の天守閣美濃完成!
ここまで組めれば、作戦勝ちである。